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冬の眠りから覚める上高地
長い冬季閉鎖を終え、上高地公園線が開通するのは毎年4月17日。雪深い山々に囲まれたこの谷に、再び人の声が戻ってくる瞬間です。しかし「春」と呼ぶにはまだ早い。梓川の岸辺には雪や氷の塊が残り、穂高連峰や焼岳は真っ白な冠雪をまとったまま。青空とのコントラストが息をのむほど美しい、上高地ならではの季節です。
この時期の上高地は、観光客でにぎわう夏や秋とはまったく違う顔を見せてくれます。静けさの中に、確かな生命の気配が動き始めている——それが残雪期の魅力です。
気候・景観の特徴
開通直後の4月17日から5月初め頃までは、遊歩道のあちこちにまだ雪や氷が残り、場所によっては通行注意や通行止めの案内が出ることもあります。標高の高い場所ではゴールデンウィークを過ぎても残雪が見られ、春というより「冬の名残」を感じる気候です。
大正池はまだ静まり返り、田代池の水面には残雪を映した山々が鏡のように広がります。木々は葉をつける前で、視界が開けているため、この時期ならではの「山の稜線がくっきり見える景観」を楽しめるのも見逃せないポイントです。
雪解けとともに動き出す、命の気配
この時期に見頃を迎える植物

残雪期はまだ花の本番前ですが、雪解けとともに真っ先に顔を出すのがフキノトウやザゼンソウといった早春の植物です。木々はまだ芽吹き始めの段階で、ケショウヤナギなどの新緑が本格化するのはもう少し先。この「これから始まる」というワクワク感こそ、残雪期ならではの楽しみ方といえるでしょう。
観察できる野鳥・動物


春先の上高地では、冬を越した野鳥たちが活発にさえずり始めます。ゴジュウカラやアカゲラが木々の間で動き回り、ウグイスやキセキレイの声も聞かれるようになる時期です。まだ木の葉が少ないため、夏場よりも野鳥観察がしやすいのもこの季節の隠れたメリットです。

また、雪解けとともに食べ物を求めて動き出すニホンザルの姿が見られることもあります。人出が少ない分、動物たちも比較的活動的な姿を見せてくれる時期です。
この時期特有のイベント・行事
残雪期最大のイベントは、上高地公園線開通式(4月17日)と、それに続く上高地開山祭です。
2026年は4月27日(月)10時50分より、河童橋たもとで山の安全と繁栄を祈願する神事が執り行われました。長い冬の静寂を破り、上高地に本格的なシーズンの幕が上がる瞬間を目撃できる、貴重な機会といえます。
THE PARKLODGE上高地はどの施設よりもいち早く、宿泊営業を開始いたします。夕方から朝方にかけてはTHE PARKLODGE上高地に宿泊しているお客様だけの上高地になります。まるで自分ひとりしかいないと錯覚できてしまうほどの静寂。ぜひ、お楽しみください。
訪れる際の服装・持ち物・注意点
この時期の上高地は「春」という言葉のイメージよりずっと寒いのが実情です。厳しい寒さが残るため、防寒着は必須。日中でも山からの冷たい風が吹き込み、朝晩は真冬並みに冷え込むこともあります。
- ダウンジャケットなど、しっかりした防寒着
- 滑りにくい防水性のある靴(残雪・凍結箇所への対応)
- 手袋・ニット帽(朝晩の冷え込み対策)
- 熊鈴(この時期から動物の活動が活発になるため)
夏山シーズンのような賑わいはないため、比較的ゆったりと散策できるのも嬉しいポイントです。
おすすめの散策コース・撮影スポット

残雪の穂高連峰を望む大正池〜田代池のコースは、この時期ならではの澄んだ空気と雪山のコントラストが楽しめる絶景スポットです。木々に葉がない分、河童橋から望む穂高連峰の眺望も一年で最もクリアに見える時期の一つ。カメラを持って訪れるなら、まさにこの季節がおすすめです。
次の季節へ
雪解けが進み、木々が少しずつ芽吹き始めると、上高地は次第に鮮やかな緑へと様変わりしていきます。次回は、ニリンソウが谷を白く染める「新緑期(GW〜5月下旬)」の魅力をお届けします。